まぶりなの怠惰な日常

今年のライブはおしまい。また来年!

2011年4月の読書記録

 
 
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                           「桃色東京塔」 柴田よしき
 
 そんなジャンルないのはわかってるんだけど、遠距離恋愛ミステリーとしか呼べない連作短編集。
 
 中の1編である「猫町の午後」は、勝手に後味のよいどんでん返しを想像して読んだけど、
 
 実際は、後味の悪いままのラストでした。(^^;
 
 
 
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                  「三島屋変調百物語事続 あんじゅう」 宮部みゆき
 
 おそろしの続編。
 
 三島屋の主の姪である、おちかが百物語の聞き手となるシリーズ第2弾。
 
 第1話の「逃げ水」は、お旱(ひでり)さんの話。
 
 これもすごくよくて大好きになった。人々に崇められて村を守ってきた地神のお旱さんが、年月と共に
 
 忘れられ寂しく山の祠に閉じ込められていたのが、哀れだった。
 
 宮部さんの書くお旱さんは、小さな女の子の姿をしていて可愛くいじらしかった。
 
 
 「藪から千本」は、死霊の怨念の話と見せかけて、実は生きた人間の生み出した怨念の話。
 
 怖い話だったが、それでもラストにほっこりするオチがついていて読後感は爽やか。
 
 
 表題作の「あんじゅう」は、トトロに出てくるまっくろくろすけと同じような、空き家に住み着くあやかしの話。
 
 これが、可愛くて可愛くて!!
 
 そして、可愛いがゆえに切なくて泣かされました。
 
 
 「吼える仏」これは、ひとりの男の憎しみが木で彫った仏に宿り村を滅ぼす話。
 
 このシリーズ、まだまだ続くような終わり方だったので嬉しい。
 
 第3弾が待ち遠しい。
 
 
 
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                         「死ねばいいのに」 京極夏彦
 
 亜佐美という女性が亡くなり、彼女の知人であるケンヤが彼女と縁のあった人々を訪ねて行く話。
 
 物語は、一人目、二人目とケンヤが訪ねる人数で進んでいく。
 
 このケンヤがまず・・・・めちゃくちゃ嫌な男である。
 
 「俺、頭悪いんで気に障るようなこと言うかも知れねーけど。」なんて前置きも腹立つ。
 
 これ、映画とかドラマだと綾野剛がやったらハマリそう。
 
 そしてケンヤは、他人が心の奥に隠していて触れられたくないことに、いとも簡単に触れてくる。
 
 容赦なくズケズケ入り込んでは、逃げ場のないところまで追い詰めてくる。
 
 本当に嫌な奴である。
 
 
 
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                          「仮想儀礼 上」 篠田節子
 
 企画倒れしたゲームブックの作者と、その編集者が食いつなぐためにインチキ宗教を立ち上げる話。
 
 金のために偽宗教を立ち上げたわりに、この二人が根っからの悪人でなく変に良心的なのが滑稽だった。
 
 たった二人の思い付きで始めた宗教が、次第に巨大な組織に成長していく様が不気味だった。
 
 
 
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                            「ざらざら」 川上弘美
 
 23編からなる短編集。
 
 ひとつひとつの話が10ページあるなしなのに、とても充実していて長い物語を読んだような印象。
 
 特別ドラマティックな展開でもないのだけど、何度も反芻したくなるような味わいがあって、
 
 ずっと手元に置いておきたい本。
 
 川上さんの書く女の子同士の友人関係が大好き。
 
 お互いがお互いをちゃんと認めてる。
 
 
 
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                       「オー!ファーザー」 伊坂幸太郎
 
 母親一人に父親四人という由紀夫の家庭環境。
 
 その設定だけでもかなり面白く引っ張れるのに、そこに更に伊坂さん特有の小ネタが絡み合って
 
 複雑な面白さだった。