まぶりなの怠惰な日常

せっちゃん、30周年おめでとう💕

2010.8月の読書記録

 
 
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                 「償い」 矢口敦子
 
 「人間の肉体を傷つけたら罰せられるのに、精神を傷つけても罰せられないのはおかしい。」
 この文章に惹かれて読み始めたんだけど、ちょっと期待し過ぎたみたいで結末は肩透かし。
 
 
 
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       「あおば鰹 料理人季蔵捕物控」 和田はつ子
 
 シリーズ第3弾。連作短編の形態でありながら大筋は繋がっていて長編のような作りだった。
 ストーリーも凝っていて、ミステリーとしても楽しめた。
 
 
 
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        「お宝食積 料理人季蔵捕物控」 和田はつ子
 
 シリーズ第4弾。季蔵が奉行の手先となって、下手人を捕らえるのはいいんだけど、自ら手に掛けるのが
 なんだかなぁと思ってしまう。
 
 
 
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            「鬼平犯科帳 16」 池波正太郎
 
 本作で特筆すべきは、あの!うさ忠が所帯を持ったこと!
 新妻とののろけ話を恥ずかしげもなく同僚や先輩に話す忠吾が可愛い。(そして呆れる)
 ほとんどが盗賊の話なのに、火付けの話があったのも珍しかった。
 
 
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        「旅うなぎ 料理人季蔵捕物控」 和田はつ子
 
 シリーズ第5弾。塩梅屋の一人娘おき玖に幼馴染の想い人が現れる話。せつないラストだった。
 
 
 
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           「武士道セブンティーン」 誉田哲也
 
 武士道3部作の2作目。
 相変わらず磯山はまっすぐで熱いし、早苗は柔軟で優しくて強い。
 3冊通して読んで思ったけど・・・二人とも大好き!!
 何度も泣きそうになるぐらいぐっと来る箇所が多かった。
 志を同じくして同じ道を歩く友が居るって素直に羨ましく思えた。
 
 
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     「朝顔はまだ咲かない 小夏と秋の絵日記」 柴田よしき
 
 いじめが原因で高1からひきこもりになっている小夏。
 彼女の唯一の友人である秋。彼女達が主役の連作短編ミステリー。
 ミステリーとしては、他愛の無い出来事ばかりだったけど、小夏がひきこもりから外の世界へ少しずつ
 歩き出す過程が愛おしかった。読後感の良い作品。
 
 
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                「不祥事」 池井戸潤
 
 トラブルを抱えた支店に出向き、指導解決する部署に配属された銀行員の花咲舞。
 彼女が主役の銀行ミステリー。
 舞の遠慮の無い正義感の強いキャラもよかったし、ストーリーも面白かったんだけど、
 ラストに物語の余韻がないのが気になった。
 
 
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             「空白の叫び 上」 貫井徳郎
 
 久藤、葛城、神原の3人の中学生が、それぞれ訳あって殺人を犯し少年院で出会う・・・
 少年達の三者三様の置かれている状況、そこから殺人を犯すに至る過程がリアルだった。
 
 
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              「しゃぼん玉」 乃南アサ
 
 ひったくりや強盗を繰り返し、その場限りの荒んだ生き方をしてきた青年、翔人。
 彼が、宮崎県の山奥の過疎の村で更生していく話。
 ストーリーは、別に目新しくもないけど、引き込まれて最後まで読んだ。
 翔人が、自分が以前に傷つけた被害者のことを思って泣く箇所が印象的だった。
 自分にかけがえのない存在が出来て初めて、自分が傷つけた人も誰かのかけがえのない人だったと
 気付いたんだろうな。
 居場所があるって幸せなことだと思った。
 
 
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       「地獄肌 アトピー性皮膚炎」 砂貝ひろかず
 
 タイトルから最初、ホラーかなと思ったんだけど、これはアトピーと闘う若者の日常の話だった。
 印象に残った箇所は、
 「アトピーは死なない病気。いっそ死ねたらどんなにいいかと思うのだが。私は一生、飼い殺しである。」
 ここを読むだけでも、アトピー患者が、日々感じている苦痛がどれだけ深刻なのかわかる。
 
 
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        「時そば 料理人季蔵捕物控」 和田はつ子
 
 シリーズ第6弾。今回は、元噺家の長崎屋主人の趣向に付き合い、季蔵は落語にちなんだ料理を考える。
 いつもどおり読みやすく面白かった。
 
 
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             「なにわの夕なぎ」 田辺聖子
 
 田辺さんのエッセイは、いつ読んでも優しい気持ちになれる。
 これは、新聞連載だったらしく、この連載中に田辺さんのご主人(かもかのおっちゃん)が亡くなられたそう。
 そのことを、あとがきに「夫が退場したが、これはまあ、トシに不足はなし。」なんて
 ユーモラスに書かれてました。
 
 
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              「蝶花嬉遊図」 田辺聖子
 
 妻子あるレオとの生活を優先するために仕事もセーブして、恋愛中心の日々を送っているモリ。
 こう聞くと、すごく生々しく感じるけど、そこは田辺さんの小説。いやらしさは感じられず。
 レオとモリの二人だけの愛の日々がいつまでも続いて欲しかったなぁ。
 決定的な別れのシーンはないけど、ゆるやかに二人が別れに向かって歩き出したと推測できるラストが
 切なかった。
 
 
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            「硝子のハンマー」 貴志祐介
 
 弁護士の純子が防犯コンサルタントの榎本の協力を得ながら、密室殺人のトリックを
 解明していく本格ミステリー。
 防犯コンサルタントは表の顔で、建物への侵入はお手の物だし、警察にも裏の情報網を持つ榎本が
 かなり胡散臭い人物に書かれていて面白かった。
 シリーズものらしいので、また読んでみたい。