サブタイトルの通り、作者の絲山さんの一人暮らしでの自炊の記録です。
絲山姐さんは、基本、大雑把で失敗を恐れないチャレンジャーなので、料理について書かれてると言えど、
笑えるエッセイになっています。レシピを真似してみよう!とか言う感じではなく・・・
読後スカッとしました。
これは、姐さんが毎月自腹で、基本ひとりぼっちでキャンプを決行するという企画を本にしたものです。
群馬在住の姐さんだけあって、ほとんど群馬の山奥でキャンプされてます。
キャンプなんて小学校の頃に一度行っただけの私でも、姐さんが七輪でラム肉や椎茸を焼き、
焼酎をあおってるのを想像すると行ってみたくなりました。
でも、さすがにひとりキャンプは嫌かも。(^^;
地球に小惑星が衝突し、壊滅的な状況に至るまでにあと3年・・・
そこに住む人々のそれぞれの終末の迎え方が描かれている連作短編集です。
この中の1編「演劇のオール」が印象に残りました。
本来の家族は、世界がパニックになったときバラバラになってしまったけど、自然と寄り添うように
血縁関係のない人々が集まって、疑似家族となって暮らすというところに感動しました。
以前、別の小説でも同じ感想を持ちましたが、血の繋がりはなくても気持ちが同じ方向を向いていれば
家族と呼べるんじゃないかなって。
ブログを通じて知り合った男女の恋が描かれています。
題材自体は、最近よくみかけるもので目新しさは感じませんが、ふたりのメールのやりとりが
とてもリアルで引き込まれていくうちに、有川さん特有の甘酸っぱい世界にどっぷりとはまりました。
実際に会って、ネットのやりとりではわからなかった彼女の障害を知り、自分なりに勉強し、
彼女を理解しようとする彼。
その気持ちが嬉しい反面、彼女が言ったひとこと。
「私にだってプライドがあるんです。」
彼女は、障害があるから優しくされるのではなく、彼と対等に付き合いたかったんでしょうね。
2時間一気読み。本を読んで泣いたのは久しぶりでした。