まぶりなの怠惰な日常

純ちゃん、お誕生日おめでとうございます💕

「雨と夢のあとに」 柳美里

イメージ 1

 外国に蝶の撮影旅行に出かけたきり、2週間も音信不通だった父が帰宅。

 ひとり留守番をしていたのは12歳の娘の「雨(あめ)」

 雨は帰国した父の様子がいつもと違うことに気付く・・・。


 
 読み出してすぐに、雨の父親とマンションの隣の女性が、この世のものではないとわかりました。

 帯には、怪談とありますが特に怖い感じもなく、ストーリー自体もありきたりな印象を受けました。



 でも、ただ一箇所強く感動したところがあります。

 雨が、知り合って間もない隣人の女性に対して「私はこのひとを信頼してる」と思い、彼女の素性を

 何も知らないことについて「それって信頼することに必要?」と自問し・・・

 「履歴書みたいなことを、すこしずつ訊き出して、すこしずつ信頼していくなんてセコクない?」

 「全面的に信頼して全面的に裏切られたほうがいいに決まってる。」

 という結論に至るところです。



 この潔さは、柳さん特有の気がして大好きです。