外国に蝶の撮影旅行に出かけたきり、2週間も音信不通だった父が帰宅。
ひとり留守番をしていたのは12歳の娘の「雨(あめ)」
雨は帰国した父の様子がいつもと違うことに気付く・・・。
読み出してすぐに、雨の父親とマンションの隣の女性が、この世のものではないとわかりました。
帯には、怪談とありますが特に怖い感じもなく、ストーリー自体もありきたりな印象を受けました。
でも、ただ一箇所強く感動したところがあります。
雨が、知り合って間もない隣人の女性に対して「私はこのひとを信頼してる」と思い、彼女の素性を
何も知らないことについて「それって信頼することに必要?」と自問し・・・
「履歴書みたいなことを、すこしずつ訊き出して、すこしずつ信頼していくなんてセコクない?」
「全面的に信頼して全面的に裏切られたほうがいいに決まってる。」
という結論に至るところです。
この潔さは、柳さん特有の気がして大好きです。