帯のインパクトに惹かれて買いました。
主人公の坂木司(著者と同名!)と、その友人であるひきこもりの鳥井を中心に進むミステリーです。
ミステリーと言っても、出てくる事件は殺人なんて物騒なものではなく、ストーカー、怪しい贈り物、
迷子・・・と、どこかほのぼのした感じでした。
本筋のミステリーとは別に、坂木が心に傷を負った鳥井を、外の世界に連れだそうと奮闘している姿が
微笑ましいです。
この物語で私がいいなと思ったのは、坂木がひきこもりの鳥井を決して上から目線で見てないことです。
それどころか、鳥井の頭の回転の速さや優しいところを人一倍、尊重していて憧れてまでいるところです。
同情じゃなく友情が書かれたミステリーでした。