らもさんの本を読むのは、久しぶりでした。
ざっと、あらすじ説明・・・
舞台は、瀬戸内海の小島にあるセラピー施設。
その島を仕事で訪れた社長と部下、そして先に入所していた女2人と男1人の患者の計5人が、
投薬と催眠術を使った治療により、子供時代へと遡ってゆく・・・
意識が子供になっても、社長は相変わらず、横暴で我がまま。
残った4人は、社長を仲間はずれにする為に、「山田のおじさん」という架空の人物を作り上げる。
最初は、悪ふざけだったはずが、想像の産物である「山田のおじさん」が、実際に施設に現れ・・・
中島らもが遺した超B級ホラー。
最初の方は、らもさん特有のギャグが連発され笑えるので、どこがホラーなんだろう?と思ってると、
「山田のおじさん」が登場してからは、坂を転げるように一気に恐怖へと突き進んで行きました。
綾辻行人の「殺人鬼」シリーズを思わせる、残忍なスプラッターシーンもあり、ぞっとしました。
ただ・・・惜しいことにラストが拍子抜け。
あっけなく終わりすぎというか、こうでしか終われなかったのもわかるんですが。
せっかく、想念が実体化するという面白い題材なのだから、もう少し楽しませて欲しかったです。